廃墟ガールの廃ログ

廃墟散歩の備忘録

その32:Haikyo【廃墟じゃない】

 

 

*基本データ


場所:東京都杉並区(高円寺駅南口よりスキップ8秒)
行った日:2017/10/14
廃墟になった日:2013年オープンか

詳しく:廃墟居酒屋
 


*評価


怖さ:★☆☆☆☆
廃れさ:★☆☆☆☆
入りやすさ:★★★★★(未成年の飲酒は禁止されています。予約はhotpepperかぐるなびが便利です。)
 https://r.gnavi.co.jp/gc1h901/

https://www.hotpepper.jp/strJ001017638/

 


*あれこれ

 

たとえばどこかに遊びに行ったり、お友達とごはんを食べに行ったりするときに、その集合先の地名や駅名をインターネットの検索画面に入力し、つづく言葉は「スペース 廃墟」なわけです。主目的でなくとも、誰かと何かをしにいくいわば「繁華街」や「商業施設」の傍らにひっそりと存在しているというのはいかにも廃墟らしい佇まいですし、その街や駅のイメージが変わるきっかけにもなります。ネオンで賑やかな場所でも途端に二面性を見られるのです。(加えて廃ログの記事にもできるのです)

 

高円寺というのはサブカルぶった全身古着ちゃん(わたしのことですね)が下北沢と並んでお洒落な自分だけのお気に入り喫茶店を見つけては写真を撮ったり読書したりする文化街でして、大学のときから少なからず縁ある場所なのですが、例により「高円寺 廃墟」で検索したら見事に一発目にヒットしたのが廃墟ではなく廃墟風だというコンセプト居酒屋なのでした

 

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怪しげな雑居ビルのワンフロアだけ廃れているようです。二階です。

 

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上を向くと、「廃墟で喰らう」の文字が見えます。若干ホラーちっくな書体です。

 

自称「廃墟ガール」ですので、ここは行くしかないということで二階へ進みます。

 

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入口の足元にあるマットです。一応ジャンルとしては大衆居酒屋だと思うので、引き戸か自動ドアをイメージしていましたが、スナックやバーのような重たい普通のドアでした。

 

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入ってすぐ右を向くとこの景色、コンクリのブロックが無造作に積み上げられ、セメントがはみ出し放題です。

 

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カウンターはこのようなキラキラを纏っていました。廃墟なりに飾られているようです。

 

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はげた壁やむき出しのコンクリートは、老朽化したり汚れてしまったりしても味として処理できそうなので、いつからこんな塩梅なのかはよく分かりませんでした。経営上のメリットもありそうですよね。ともかく無骨です。

 

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通された個室の上は格子状の針金が渡っており、勝手に傘かけとして使わせていただきました。その格子状天井にはハンガーや電球もかかっており、その上にはColemanのなにかの箱が物置かのように積まれていました。

かと思えば飾り気のないパイプ椅子と長机の席もあり、廃墟としての統一感はあまりないように見受けられました。どちらかというと寄せ集めの有り合わせで小さな空間をいくつも作っていて、ホームレスもしくは文化祭を連想します。

 

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ただ、こういったコンセプト居酒屋って気をてらった勝ちというか、出オチ感が満載なのが常ですが、このお店、食べ物がすっごく美味しいです

内装の写真を撮って満足してしまったため写真がないのが悔やまれますが、優しい風味の揚げ出し豆腐、餅でできた廃墟ピザ、炙りしめ鯖、良きでございました。他にも美味しそうなメニューがたくさんありましたし、店員さんがとても柔軟な対応(取り皿持ってきてくれたり、1番お得なクーポンを適応してくれたり)をしてくださり、有難かったです。

 

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完成された「廃墟」としたらまだまだなのかもしれませんけど、このそこまで狙ってない感がかえって自然な廃れ具合を出しているのかもですし、もう少し年月が経つにつれて味が出てくるのかもですし、何よりお腹が満たされますし、どこよりも気軽に行ける廃墟ですので、お腹を空かせてぜひ足を運んでみてください。

食べ物の写真がないため、グルメレポとしては失格です。戦力外です。

 


*おまけ

 

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高円寺を知るきっかけとなったのがこの喫茶店です。音楽なんて一切やってこなかった人生なのですが、素敵な空間だと思います。ぼんやり黄色がかった照明の中で本を読みます。

 

その31:高山マンション跡地

 

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廃墟も好きですが、電線と電柱、標識、カーブミラーも好きです。青空によく映えますね。

ということで今回の基本データです。

 

 

 *基本データ


場所:東京都北区(赤羽駅東口)
行った日:2017/10/07
廃墟になった日:不明
詳しく:

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ココ

 


*評価


怖さ:★★☆☆☆
廃れさ:★★★☆☆
入りやすさ:☆☆☆☆☆
 


*あれこれ

ということで、一発目の中心にあるマンションが今回のターゲットです。

 

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別アングルです。きらきらで囲ったところですが、ツタが縦横無尽でポイント高めです。しかし建物の一辺しか道路に面していないため、全貌が拝めないことがポイント低めです。

 

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散歩をしていてたまたま見つけたマンションですが、次同じ場所へ行った際にはおそらくもうなくなっているでしょう。今回の記事はかなり刹那的です。諸行無常です。うたかたです。

 

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きっと様々な家庭がここで生き、何気ない日常や修羅場やドラマが生まれていたのでしょうね。いまでは解体秒読みです。建設予定の看板は見当たりませんでしたが、もう業者が入っているのかもしれません。

 

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ピント合ってませんが‥‥(高校生のとき、写真部だったんですが‥‥フィルムカメラいじってたんですが‥‥死ぬほど下手くそな写真ばかりですみません、気合いが足りませんね)緑が生い茂っています。

 

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住宅街にそっといまにも終焉を迎えるその瞬間を待っている場に立ち会うことができて、貴重な時を切り取れたと思います。廃墟の醍醐味、基礎中の基礎、条件としてはとてもオーソドックスな本件でございました。

 

その30:社会保険庁跡地

 

*基本データ

 

※追記‥‥コメントをいただきまして、こちらの建物の名称や用途、使用時期等ご指摘いただきましたため内容を一部改定しました。コメントくださった方ありがとうございます!
場所:東京都千代田区(麻布十番駅が近い)
行った日:2017/09/30
廃墟になった日:2015年
詳しく:建物自体の名称は「旧逓信省簡易保険局」というよう。

 


*評価


怖さ:★☆☆☆☆
廃れさ:★★☆☆☆
入りやすさ:☆☆☆☆☆
 


*あれこれ

 

素敵な洋館です。麻布十番の駅2番出口から坂をのぼり、オーストラリア大使館を過ぎ、現れます。

 

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上から見るとこのような建物みたいです。今回の記事はこの俯瞰図に則って、撮った写真を置いておこうと思います。

 

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麻布十番駅から旧社会保険庁に向かいますと、横断歩道の向こうにまずは囲んだ部分が現れます。

 

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ブラインド? の乱れ具合が、手を入れていないリアルさを出しています。

 

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あと、屋上へ続くハシゴがなかなか趣あります。

 

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そして本館(と言っていいのか分かりませんが)と先程の小さな建物を繋ぐ部分が見てとれます。

 

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この柵を除いてみますと、

 

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なにやら本館(仮)からなにかを運んで地面へおろす、もしくは車が直結できるような機構があります(写真右手)

 

錆びついたゲートの向こうにもまだまだ世界が広がっていて、探究心を刺激されますね。

 

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お次は正面口の少し手前、駐車場がある部分が出てきます。

 

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人は入れますがさすがに駐車はできないようです。ちなみに駐車禁止の立て看板の左にはポストがありまして、こちらも立派に機能していました。

 

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ATMコーナー跡地です。初めてお目にかかりました。

 

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何も貼っていない掲示板、廃墟ではお馴染みの光景ですね。

 

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そして来ました、メインの玄関口になります。地図からも分かるように、ゲートまでなだらかなアーチ状の坂があります。

 

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どっしりと構えているお姿です。銀行にも見えますね。あまり廃れた様子はありません。

 

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なぜだか探索すると曇りが多いので明るさがしっちゃかめっちゃかで見えにくいかとは思いますが、階段を上がって柱の向こうにはクラシカルな自動ドアがいらっしゃいました。

 

舞踏会に行きたくなるような造りです。

 

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ただ伸び放題の草木や滑りの鈍そうな鉄格子を見ると、やはり廃れた、人のいる空気から置いていかれた跡がよくわかるのでした。

 

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社会保険庁への途中にも、いまにも終焉を待っている場所もありまして、ハイソと野暮の入り混じる地でございました。

 


*おまけ

 

社会保険庁へは、麻布十番駅の2番出口から出たのですが、そのとき通ったくの字型の地下通路がこちらになります。

 

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カーブミラーで全貌を補完していただくと分かります。

完全余談ですが、こういうコースがあると、よくDDDの野球回を思い出すのです。

 

ミラーがあるならまだしも、ようまあこんなコースでシンカー打ち返せますね‥‥。

 

※わたしの高校生のときの愛読書(ラノベ部門)は西尾維新奈須きのこ成田良悟です。

 

 

DDD 1 (講談社BOX)

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