なかなか「好き」の度合いが高めの廃墟に新年早々巡り会えました。偶然通りかかって見つけた場所でしたが、調べてみますと廃墟フリークの間では有名なようです。
*基本データ
場所:茨城県石岡市
行った日:2018/01/06
廃墟になった日:不明
詳しく:県道118号線沿いにある二階建ての店舗跡。
※2024/09/11編集…解体済。情報提供ありがとうございました。
*評価
怖さ:★★☆☆☆
廃れさ:★★★★☆
入りやすさ:☆☆☆☆☆
*あれこれ
廃墟の宝庫茨城県よりお届けします。褒めていますよ。
以前にも書きましたが、わたしは過去2年間水戸市民だったことがありまして、(cf.近所のご懇意にしていた廃墟→その4:県営釜神町アパート跡 - 廃墟ガールの廃ログ)その際には上は高萩鹿行は波崎、古河に結城にと縦横無尽に車を走らせていたものでした。(暴走族の類ではありません)
県道118号と、国道6号――通称6国(ロッコク)ですね――の交差点が奥に見えます。こちらは車内から撮影された撮影する廃墟ガールです。
全貌です。敷地としては、
右側はこちらの電信柱まで。
左はこちらの看板までです。
履歴書募集しているようです。現在でも送付したら面接をとりつけてくれるのでしょうか。ついでにとてつもなく気になることとして、電話番号(3)ってまったくわかりません。石岡市の市外局番は0299らしいんですが、それでも1桁足りませんよね。昔NHKでやっていた、10色の玉を転がす番組で、「電報を送りたい番号をお願いします」「6番です!」「それどこだよ」というようなコントがありまして、6番は大水さんが電報打ちたい相手の番号、3番はフレンドショップにいはりということなのでしょうか。(お笑いが大好きな時代がありました。ニッチですみません)
加えて右の端にはこの商店がなにフレンドなのかを示す看板があります。狭くね?? 電信柱はあとから建ったのか、営業品名は最後まで読むことができません。右から2番目、「家庭用品」ってカバー力高すぎませんか? 家庭で使わない陶器やガラス用品ってなんでしょうか? この看板を前にして人はツッコミの力を試されるわけですね。
肝心の建物は正面からだとこのようになっています。枯れた蔦の纏う二階建てです。
きっと外の手すりが寿命を全うすると、網戸が降ってくる仕組みです。看板ももっと鮮やかなグリーンだったに違いありません。
ここまで眺めて、撮って、つっこみ入れて、口元をにやつかせながら、入口のガラスに近づきます。
有名たる所以が、ここにあります。お分かりいただけましたでしょうか。
建物の中まで緑なのです。
一瞬、晴れやかな空と、3連休だというのに人通りのまばらな県道、やけに幅広く平気で70キロくらい出す車のたまに行き交う音、ばか真面目について消えてする信号、ああ茨城だなあ、田舎だなあと安心できるそんな隙が、なくなります。
ガラスを覗くと、外に余るほど出ている緑が、続いて、続いて、続いて、
ふと、わたしの足元のドクターマーチンにも、アスファルトにも、緑が続いているのではないか、錯覚を起こします。背後の長閑が消えて、緑がどこまでも生い茂っているかのような、不思議な、不気味な感覚です。理性を失いそうなほどの緑、植物の圧倒的な、無言の、無音の恐怖のようなもの、ありますよね。
怖くなって車に戻りました。この姿、最高です。晴れたが故にガラスの反射でうまく撮れず、そこだけが悔やまれます。また意識せず通りかかり、あの感覚を味わいたい廃墟となりました。
*おまけ
Haikyo mode
(cf.廃墟モード:廃墟モード - 廃墟ガールの廃ログ)
ここまで辿りついた方、長々と見ていただきありがとうございました。