長くなってしまった。文章は読み飛ばしてオールオッケーです。
4年前の夏、スカイレストニュー室戸を目指して台風の中レンタカーを走らせ、すんでのところで泣く泣く断念した思い出があります。その127:なにかの枠組み【スカイレストニュー室戸を目指して】 - 廃墟ガールの廃ログ
4年越しの思い出深いこちら。やっと来ました。ようく晴れています。(cf.バックナンバー→その465:畑田変電所【爆走四国アゲイン1/7】 - 廃墟ガールの廃ログ、その466:大衆館【爆走四国アゲイン2/7】 - 廃墟ガールの廃ログ、その467:【出張暗渠ハンター】事務所跡【爆走四国アゲイン3/7】 - 廃墟ガールの廃ログ、その468:【画像大量】甚五郎【爆走四国アゲイン4/7】 - 廃墟ガールの廃ログ、その469:屋島ケーブル【爆走四国アゲイン5/7】 - 廃墟ガールの廃ログ、その470:室戸生コン【爆走四国アゲイン6/7】 - 廃墟ガールの廃ログ)
噂の通りとても面白い形の建築物だし、良いロケーションだし、有名物件でいろんな方々がお写真を撮っていらっしゃるし、1000%行ってよかったけれど、わたしは個人的には5/7の駅舎のほうが好きだった。「廃墟」にさらに「レトロ」「クラシカル」が加わっているからか知らん。
でもだからって嫌いというわけではもちろんまったくもってない。
3方向に出っ張っているところから展望できたのですって。ミステリに出てきそうな造り。
緑が生い茂っているのと、3本の突起は上から見たらテトラポットのような角度で等しくにょきっとしているだろうから、どこからどのでっぱりを見ても同じような景色でした。凝視したら違ったのかもだけど、廃墟が好き~とか言うくせに写真撮影にごだわりがあるわけでもないし、写真も下手くそだし、じっくりすみからすみまで絶対に見ているわけでもないし、邪道オブ邪道。ライトな楽しみ方もあるということで。
ビンカンゴミの収集明日なのかな。
やばいやばい、誰から誰へ矢印が伸びているのでしょう? 五角関係でしょこれ?? しかも全員お名前的には男性??? どこでやっているドラマ???
にょきにょきをおかわりしておしまい。やっと見れました。
近くにはもうひとつ廃墟があるみたいです。こちらは行けませんでしたが、面白そうな見た目をしていそうでした。ドローンなどを持っていたらまた違うのでしょうね。
スカイレストニュー室戸は念願だったのだけど、ふらりと立ち寄ったおまけのほうが凄まじい。残念ながらここは今回お邪魔したすべての場所の中で1番お気に入り。
坂出人工土地というところ。もう名前が素敵。その正体はテナントや戸建て(長屋みたいになっているからこの表現は間違っているかも)の上、つまり地面から地続きじゃなくて空中に団地を立てたら土地も税金も節約できるのでは? みたいな発想から始まった、大胆な団地。この構想は昔きっと画期的に思われ日本各地で人工土地の活用が計画されたらしいけれど、実際に実物ができたのはここだけだったそう。地図の「人工土地の上」って表記から、もう最高が始まっている。(例によって感覚でメモしすぎているので、学術的な背景はちゃんと調べると出てくるページをご覧ください)
なんなら1回目立ち寄って雨でもう1回晴れの日に行った。雨のときに見上げたこのアングルが、また今度にするのは惜しいと物語っていらっしゃったので。
まずは雨ターンの散歩。人工土地の上には行かずに店舗部分。
お喫茶などもあってパンケーキを食したりもした。ここだけだと好みなレトロアーケード、という感じ。
そしてよく晴れた別の日。坂出人工土地日和となりました。店舗は商店街風に道路に対して長く続いているけれど、奥には駐車場も完備。その脇の階段を、
立体駐車場のスロープのようにぐるぐると、昇ってゆきます、あれ、上に薄水色の建物が、
建物が……?
第一声としては「1階の景色が2階にある」でした。店舗の屋上にあたる部分がリセットされて地面ぽいです。生垣も、アンテナも、ここが地面ですけれど? という顔をしているのです。
ここはがらんどうでした。ははん、空中に団地を造ってしまったというのはこういうことか、横一列にぶったぎられて商店街と団地2つの世界がCtrl+AからのXからのVされているわけか、と頷きます。
あれ、左は2階建ての団地がそびえているけれどその高さより低い右に長続きで2階分のラインが見える。しかも右の薄水色は1階分でその下は一軒家のように個性がある……え? お店? お店の続き?
あれ? 下にもワンフロア分の空間がある……??
いや、唯一しっかりしている1階と2階の床ですらスロープとか始めました。斜めです。じゃあもうなにを頼りに歩いたら良いの。
向こうにも謎の斜面を持つ団地群が見えて気になって仕方ないし、手前はDIYされているのか出窓? 拡張されているスペースがあります。嗚呼、生活のためになるべくしてこうなった個性、ラブです。
どの塊も自分が正常な位置に、地上から建っていますという顔をしれっとしているから、自分が何階にいるのかはほんとうにわからなくなる。右を向いたら2階建て6世帯の団地が、左を向いたら階段があって少し下がって3階建ての団地が、ただ右の1階と左の2階は同じ高さではなくて、そもそも団地の生えはじめはすでに2階で? たまらない。面白すぎるし、美しすぎるし、なにも気取らずにそのままにあるのが良い。2年前に信州観光ホテルをモデルにした巨大廃旅館の出てくるおはなしを作ったことがあって、そのときに「ここで平衡感覚を存分に狂わせ、狂おしいほど迷わず迷ってみたい。」と書いたことがあるのだけど、まさにその通りで、いつか絶対ここをモデルにしてなにか文章を書きたい。
折れ曲がっていない、一直線の階段があります。珍しい。これはさっき見た謎の斜面を持つ団地群。
階段の先、1番高いところ。2部屋あってどちらも空き部屋でした。ここに住みたい。部屋と部屋の間にはぶたちゃん(狂気ぶた)を置くなどと妄想するなど。
こうやって切り取ると団地の構造ではなくて廃墟らしさにフォーカスもできる。
守り神かしら。
至福。まず団地がこんなだんだんになっているのが珍しく面白い構造なのに、この写真を撮っているのがすでに2階だし、さらにアンテナや植木鉢、祠、ドラとアイテムが散らばる。最高と呼ばずしてなんと呼ぶのか。
団地エリアに昇る階段に木が植わっています。また高低差が分からなくなるようなものを……
人工土地、がなんたるかがようく分かるの図。
はあ。ため息。感嘆。ごちそうさまでした。絶対にまた来たい。なんてわたし好みなの。連れてってくれた同行者様、ありがとうございました。そして坂出人工土地に焦がれつつ、カントーに戻る。