①廃墟さがし
日本全国津々浦々ネオンの眠らない街というのはごく一部で、全体の6割、いや7割くらいはゆとりのある建物の間隔、広々とした道路、点在する明かりの続く地だと感じています。タイムラプス動画のように定点カメラを置いて、撮影を繰り返せば、家が建ち、家が崩れ、店が建ち、店が崩れ、道路が広がり狭まり、暗くなり明るくなり、ここにもひとが暮らしているのだな、歴史があるのだなと分かるはずです。それはすこしずれた視点かもしれませんが、そんなサイクルを知れるのも、廃墟の良いところかもしれません。
サイクルの速さ長さはその土地、物件、地域性によって随分と個体差があります。気づけばもう次の新たな芽吹きに移ろっていることもあれば、時が止まっているかのように退廃期が終わらないこともあります。ベストなタイミングで訪れることができればお散歩したかいもあったというものです。
たまたまゆく先に廃墟があった場合を除き、はじめに情報を収集します。わたしは僻地のラスボスのような廃墟へずんずん進んでいくことはあまりありませんで、気軽な廃墟でも満足してしまうのです。ご懇意にさせていただいているインターネットのサイトを見るか、人から教えてもらうか、自らの目で見て調べるか、といったところでしょうか。今回はよく都内の廃墟を教えてくれる知り合いの例をとって進めます。ちなみに下にある「印西市」とはその125:ガーデンモール印西【iPhoneメモ機能】 - 廃墟ガールの廃ログを指します。
②実地調査(お散歩)
①で「豊島区役所の目の前に崩れた家放置」とアウトラインを掴みましたので、実際にお散歩してみましょう。豊島区役所ということですので住所は豊島区南池袋2丁目、池袋駅から歩けそうです。
ターゲットを見つけましたら、眺めつ撮りつします。カメラは持っておりません。iPhoneです。ブログを始めてから、横型の写真を撮る癖がつきました。
色々な角度から楽しみます。
入ってはいけないところには入りません。進んで良いところは進んでみます。
その地に遺る生活の跡や暮らしの欠片、長い年月によって造り上げられた箇所もなるべく見逃さず、観察します。写真が何枚か撮れました。ここらでひとまずほくほくします。
③画像選定と文字入れ
当然ですがすべての記事は物件をメモするためのものですので、画像ありきで進みます。
撮った画像を見返してみましょう。高校のとき写真部だったものの撮影は下手くそですので、ピントが合っていなかったり被写体が納まりきっていなかったりしているものがあります。それは消去して、使えそうなものをなんとなく選びます。
ついでに、記事の終わりには「おまけ」という使い勝手の良いコーナーが設けてあるので、なにを今回はおまけにするかも合わせて考えます。あたりをつけたら使う画像をピックアップしましょう。
使う画像には「#廃ログ」という文字スタンプが押されます。これは転載されたとき用なのか、統一感を出すためか、なぜかすべての画像についています。フォントや色や大きさが大体決まっていますので、写真の空いているところに貼っつけます。たまに縦書きにしたりアーチ型にしたり看板に載せたり遊ぶこともあります。
人や物件と関係のない看板や電話番号などが入ってしまった場合はぼかしておきます。
画像が揃ってきました。
④本文
素材も揃いましたので、本文をぽちぽち打ち込んでいきます。このブログの85%くらいはiPhoneから、14.5%くらいはiPadから作られています。「#廃ログ」にはテンプレートがありますので安心です。カッコ書きは文字を小さく、アスタリスクから始まる各項目は太字灰色など、指定があるものは文章を作りながら変えてゆきます。
文章に飽きてきたらカテゴリも任意のタイミングでチェックしていきます。カテゴリの癖に全ての記事に当てはまる普遍的な項目があるのはご愛嬌ということになっています。
文章を打ってから写真を間に差し込むやり方だと作業が面倒なので、基本写真を貼り付けてから好き勝手に文字を打っています。たまに短いお話になったり(その132:笠間昭和館 - 廃墟ガールの廃ログ)、ゲーム画面になったり(■ - 廃墟ガールの廃ログ)、フランス語になったり(No168:Ruines de la maison à Ikebukuro - 廃墟ガールの廃ログ)、別の人が書いたり(その218:星の王子さま【清里遠足レポート⑤】 - 廃墟ガールの廃ログ)と、出オチします。
参照する記事があるときはリンクも貼りましょう。iPhoneからの編集だとリンク先のサムネイル画像を出したりはできません。文字のみです。仕様を変えたい時はipadからそこだけ編集します。
本分に加え細かいところも整ってきましたら、プレビューにして全体を見直します。誤字脱字を確認したり書き途中の部分がないか、書式は揃っているかなど、チェックします。が、所詮趣味のこのブログ、一定水準自己満足がなされていればGOサインを出してしまうため、凡ミスは多々あります。それも味、と片付けます。
⑤眺める
投稿ボタンを押したらもう1度読みます。
こうしてまたひとつ廃墟のメモが世に出ました。
おまけもこの通りです。
このブログの1番の読者は何度も書いていますがほかでもない自分なので、よく読み返します。こんな巧みな表現できるんだ過去のわたし、こんな稚拙な文章をよく投稿したな過去のわたし、など、学生のときのノートやアルバムを捲る気持ちになります。たいそうちいさなアウトプットの自己満足ですが、それはそれで楽しいものです。
これで誰でも廃ログが書けますね。
⑥最後に
素知らぬ顔して書いていますが、大出オチにもほどがあります。最近真面目にテンプレートからばかり書いていて良い子ちゃんで飽きてしまったので、記事の書き方を書きました。出オチのひとつとして前々から頭に浮かんでいたものです。それと以前に「物件選びの苦労話などあれば聞いてみたい」とコメントしてくださった方がいらっしゃいまして、それも兼ねて書いてみようとのことになりました。今後廃ログのパロディを書いてくださる方がもしいらっしゃいましたらこの記事を参考にしてくださいませ。
なんだかアウトプットの機会をたくさんいただけた1年でした。こんなにも自己完結した場所にいるのに、大衆に引きずり出してくださったみなさま、ありがとうございます。大晦日時点ではまだ今のところ飽きずにやってこれていますので、来年も読んでくださり、遊んでくださいますとうれしい限りです。
年末年始の挨拶に変えて
2019/12/31ヒヤパ