廃墟ガールの廃ログ

廃墟散歩の備忘録

その111:根岸競馬場【廃ログ1周年なりました】

 

 

*はじめにくるタイプのおまけ

 

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え? 手抜きにもほどがあります。これは塗り絵です、3分で描いた塗り絵。きょうでブログはじめて1年のようでした。その100で死ぬほど自分で自分をお祝いしたのでこちらは控えめといたします。(cf.100祭り→ある廃墟ガールの廃ログからの脱出 - 廃墟ガールの廃ログ)

 

*基本データ

 

場所:神奈川県横浜市(根岸駅から歩いて20分くらい)

行った日:2018/07/07

廃墟になった日:1943年6月頃か

詳しく:日本初の洋式競馬場。現存する一等馬見所のほかに一時馬見所、二等馬見所、下見所などがあり1930年頃に建設された。公園としては1977年10月1日に開園。

 

 

*評価

 

怖さ:★☆☆☆☆

廃れさ:🐎★★☆☆

入りやすさ:★☆☆☆☆(公園内入場無料)

 

 

*あれこれ

 

「関東近辺で外観がもっとも綺麗な廃墟」として、先日なんとわたしが「変わる廃墟展2018」行ったことを記事にしたのがきっかけでお会いしたトシボさん(id:toshiharu-hirai)から教えていただいたのが根岸競馬場でした。横浜競馬場とも言うようです。

(cf.その105:住居跡【豊島区】 - 廃墟ガールの廃ログ&その78:「変わる廃墟展2018」 - 廃墟ガールの廃ログ)

 

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その名の通り根岸駅が最寄りです。初上陸でした。根岸駅を降りまして――


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反射して写りこむシルエットは廃墟ガールのものですのでご安心ください。


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新しいのか歴史あるのかよくわからないお店の謳い文句を見上げつつ進みまして――


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可愛らしい新聞の自販機オブジェを過ぎまして――

 

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着きました! この日はくもりで、流れず止まるじっとりとした汗が出るような気候にこの広大さはこたえます。


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侵入した入口から1番近かったのは売店やロッカーなどの併設されたレストハウスです。2階のこのものたりなさはなんでしょうか。半円、すべてスペースを使っても良かったと思うのですが‥‥もしくはこれだけしかアイテムが置けないのであれば、1階分にすべて納めても良かったと思うのですが‥‥奇妙な造り、半月切り堂かかまぼこ堂のどちらかと俗称されているに違いありません。

 

眼球堂の殺人 ~The Book~ (講談社ノベルス)

眼球堂の殺人 ~The Book~ (講談社ノベルス)

 


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レストハウスをずんずん進み、お馬さんたちがいらっしゃいました。みなさん同じ方向をむき、微動だにしません。優秀な訓練がなされているようです。

ただお馬さんではなく、お馬さんを拝見する施設はいまだ見えません。川や山や芝生や橋やフリスビーやバドミントンや小型テントやボールやリードのついたお犬様や数々の賞景色を抜け、まだまだ進みます。そして――

 

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ついに、この巨大な建造物と対峙するときが来ました。

 

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からあおり


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からあおり


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正面からあおり


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いとうつくしうてゐたり‥‥(座ってません。なんなら建ってます)

サイズ的におさまりきらず魅力を100%写真にするのは不可能です。が、どこから見ても、どこを切りとっても落ち度がありません。美しいです。約90年も前につくられたとは思えない現存具合です。クラシカルな配列で入り交じる曲線と直線、圧倒的すぎて恐怖すら覚えるサイズ、シンメトリーに見えて少しずつ異なるパルプや小さな扉や窓、溜息が出ます。


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残念ながら侵入か投擲かわかりませんが、空のペットボトルなども添えられており、嬉しくないオプションも見てとれました。このままのお姿でおはしますのを祈るばかりです。


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緑との共有がいつにもまして素晴らしいです。大成功の例といえます。


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雲の線がきれいです。

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先述したなんちゃってシンメトリーの柵のむこうです。有刺鉄線が萌えポイントでもあります。


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画面やや左の上、鳥さんもこの馬見所に見とれてしまうのでしょうね。


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ということで、この建物が建てられた背景もそこそこに、ただクラシカルな、ただ大きな、ただ古びた、たったそれだけの要素をもつ建物として、はたと立ち止まり息を飲んでしまうような力を持つ廃墟でした。見上げて動きを止めるほどの、それが良いのか悪いのかはさておき、それほどのエネルギーを秘めている、しかも90年の時を経てもなお、というのは、そこらにぽつんとある空き家1軒、アパート1棟ではなしえない叶わない、そういった意味で外観の優れた廃墟の最高峰かと思います。

トシボさん、ありがとうございました。

 

*廃墟残

 

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