廃墟ガールの廃ログ

廃墟散歩の備忘録

その51:フランス山

 

 

*基本データ


場所:神奈川県横浜市(港の見える丘公園敷地内)
行った日:2017/12/10
廃墟になった日:1947年
詳しく:1863年6月~1875年3月までのフランス海兵隊駐屯地を経て、1894年にフランス領事館に。その後関東大震災にて倒壊するも1930年に再建、1947年に火事で消失。

 

 
*評価


怖さ:☆☆☆☆☆
廃れさ:★☆☆☆☆
入りやすさ:★★★★★

 

 
*あれこれ

 

横浜市中区、中華街赤レンガ倉庫で賑わう激戦区ですが、海沿いに港の見える丘公園というところがあります。

 

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高台からはこんな一望ができて、冷たい海風が頬を撫でるわけです。

 

橋や坂を歩き、バラ園やイギリス館なんかもあるのですが、廃墟ガール的オススメスポットとしてはやはりフランス山になります。

「きれ~い!!」と語彙力をゼロに近い状態にして広がる港と一緒にキメ顔を撮ったり、「かわいい~!!」と語彙力をゼロに近い状態にして咲き乱れるバラと一瞬にキメ顔を撮ったりするより、よっぽとフォトジェニックな写真がとれます。(冬はバラ咲いていませんでした)

 

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かつては2階もあり、風車も伴っていた建造物になります。こちらは玄関ポーチと玄関ホールです。

 

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柱があったところや当時の構造によって、床には様々な痕がついていました。この季節ならではの落ち葉と位置の高い陽の光が、暖かみのある場所にするのを手伝ってくれています。

この写真、右奥にご注目ください。寄ります。

 

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これはコレでしょうか。↓

 

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隣の跡地が何に使われていたのかも気になるところです。

 

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玄関ホールは蔦だらけで、壁がぐるりと残っていることもあり、空間としてもできあがっている場所でした。この部屋のものか上の階からのものか、下水かなにかの管が蔦の中に紛れています。スチームパンク味も垣間見えます。

 

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縦が妙に長めの比率の窓枠、どんなガラス細工の施された窓がはまっていたのでしょう。玄関ホールということは、来客者の顔といっても差し支えないはずです。絢爛な扉やドアノブ、壁の隅に窓や調度品をたてる名ランプ、想像意欲をかきたてられます。

 

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実際ここで写真を撮りあいっこしている男女2人組もおりましたし――あとでおそろいのLINEのアイコン画像にでもするのでしょう―― 

 

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こういうところで写真を撮るより、

(別にこういうところを否定しているわけではありません。お紅茶素敵です。英国紳士と結婚したいです。執事喫茶も大好物です。あくまで廃墟ガールとしてのものの見方です。載せてないだけで結局こういうところで写真撮りまくっていますからね。)

 

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たいそうフォトジェニックではありませんでしょうか。

 

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そして、玄関ホールの裏手に回ってみますと、こんな景色が見えます。左手にご注目ください。寄ります。

 

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階段が‥‥あります‥‥。

ここが今回のモスト萌えポイントです。ここから2階にあがれたようです。5段しかない階段萌えです。これこそ「かわいい~!!」です。語彙力低くなります。自分の家に欲しいです。

 

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こういうところで写真を撮るより、

(別にこういうところ否定していません。甘味大好きです。生クリームは主食です。キャラメルと洋梨のチョコレートムースケーキ、二層になっていて味に変化があり終始ニヤニヤが止まりませんでした。だから執事喫茶も大好物です。いえ、執事喫茶が大好きなひとのブログではありません。廃墟ガールです。)

 

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たいそうフォトジェニックではありませんでしょうか。

 

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廃墟でもインスタバエ、狙えそうです。

 


*おまけ

 

横浜の旅はあとひとつ記事になるかならないかくらいの盛りだくさん具合でした。大収穫でした。

その49:割烹旅館入船跡地 - 廃墟ガールの廃ログ

その50:源豊行卸部 - 廃墟ガールの廃ログ

 

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お供してくれた紫芋色の上着の友達に感謝です。

1枚目は合成ではありません。

joyeux Noël :)

 

 

廃墟モード

 

 

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 Haikyo mode

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真家・植田正治さんの作品が大好きです。iPhoneの待ち受け画面は伏見稲荷と「パパとママとコドモたち」を長年使っています。 

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彼の作品に「砂丘モード」というシリーズがあります。ご出身鳥取県にある砂丘で、外国でも一単語として通じる「植田調」を存分に出して撮られた一連の作品たちです。絵画のような小道具の配置とポーズが通常運転で、ボーラーハットや傘、本、トルソー、クラシカルな洋服、丸眼鏡、演出のチョイスがとても好みです。

 

以下言い訳スペース

小さい頃の夢は漫画家で、そのあとの夢は小説家でした。中途半端でしょうもないクソクオリティですが、いつか植田正治さんみたいな落書きをしたいなと思っていて、背景書けないから写真に合わせればいいんでねと、良さげな写真を探していたら廃墟がたくさん出てきて、じゃあここに晒すか‥‥となった次第です。白黒なら色塗り下手くそでも仕様ということにできますし。背景写真と合わせるとき画像変換をミスって若干女の子の足ジャギってますが気にしてはいけません。続くかは微妙です。自己満の落書きです。描いたあとひとに見せたら「浅野いにおみたい」と言われましたが廃墟モードです。女の子はボブか三つ編みが好きです。あと制服ですね。プリーツとハイソックスの間の太ももが好物です。

変態ではありません。

 

 

 

 

 

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その50:源豊行卸部

 


*基本データ


場所:神奈川県横浜市
行った日:2017/12/10
廃墟になった日:不明
詳しく:中華食材・食品の老舗店舗源豊行(げんほうこう)と関係がある模様だが詳細は不明。近くにはこれまた歴史のある広東料理同發(どうはつ)の菓子製造工場もある。
 


*評価


怖さ:★★☆☆☆
廃れさ:★★☆☆☆
入りやすさ:★☆☆☆☆
 


*あれこれ

 

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中華街や赤レンガ倉庫を周回してくれる「あかいくつ」バスの「中華街」という停留所の近くにある建物です。

いまいち情報が集められず、Googleマップで調べたら卸部って書いてありましてタイトルに起用させていただきました。

(日曜の中華街は大人気で、人気のない引きの写真撮れませんでした‥‥念のためぼかしかけております。)

 

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そこまで古い建物ではなさそうですが、錆の具合がぐっと雰囲気出しています。

 

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きれいに、それこそ現役の建物のように整えられている部分と、放置された部分が混在していました。

 

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反射が著しいガラス張りの向こうです。

給湯機、冷蔵庫、観葉植物が見えます。

 

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左に見えるボーラーハットは廃墟ガールのものですので悪しからずでございます。

 

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わりと雑多な机上です。

 

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店内が透けるガラスには、壁の容量でお知らせが貼り紙してあります。拡大すると分かりますが、関東学院のクリスマスコンサートのご案内です。今年の12月15日開催だったそうです。

が。この貼り紙、内側から貼られています。日付も最近のものです。

この店内の様子、かなり前から変わらないのかなと予想しますが、ならばこの様子の建物に宣伝の貼り紙を貼る流れになるかなと疑問と浮かぶところです。ミステリのトリックでなければ、内側から貼るタイプなので必ず店内に入りますよね。この雑多な空間を管理する<クリスマスコンサートのお知らせということですよね。なかなか興味深い謎であります。(cf.廃墟の不思議→その48:住居跡【板橋区】 - 廃墟ガールの廃ログ)

 

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ただでさえ文化の入り交じるカオスな地域、建物の新旧もあって、想定外のディープさを味わうことができました。

 

 

*おまけ

 

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(小籠包も肉まんも食べるのに夢中で写真がないなんて口が裂けても言えないためアルコールランプでお茶を濁すおまけです。美味でした。)