前後編です。
*基本データ
場所:愛知県西尾市
行った日:2017/11/09
廃墟になった日:不明
詳しく:三ヶ根山スカイライン内(さんがねさん/西尾市を通る有料道路)。
このへん
*評価
怖さ:★★☆☆☆
廃れさ:★★★☆☆
入りやすさ:★☆☆☆☆
*あれこれ
三ヶ根山スカイラインという、有料道路(なのに廃墟が道沿いに羅列されている山道)がございまして、いろいろ調べていますと廃墟の宝庫ライン(有料なのに)とのことで、名古屋につきましてレンタカーを借り行ってまいりました。
スカイラインのある場所はあの西尾市です。西尾といえば西尾維新です。わたしの大好きな作家さんです。
三ヶ根山の中をくねくね登ります。いろは坂や箱根ターンパイクのようです。わりと剪定されておらず車道に飛び出した枝や葉、白線が埋もれるほどの落ち葉など廃墟以前に管理状態には疑問がありました。片道420円です。
くねくねを繰り返してしばらく行きますと、右手に現れるのがこちらです。
もう、晴れの日の探索が久々すぎてハイパー逆光です。画面が見えない場合は画面自体の明るさをいじくると見えます。毎度低クオリティですみません‥‥。
パールセンターと呼ばれるお土産屋兼茶屋でございます。
手前にも別の看板があります。コカコーラが茨でぐるぐる巻きです。
先程のコカコーラの脇、建物寄りにもう一本看板です。「NPO環境保全機構」「ゅうと」までは読めますが、正式名は謎です。
この絶妙な角度で止まった空間、意図的には作れません。
そんな看板ズに囲まれ鎮座しますのは横に長い平屋です。「観音茶屋」とあるため、パールセンターは別名のようですね。開いた窓の向こうを細かく見てゆきます。
雨戸(?)がばりばりに裂けて中身が見えます。たまりません。
右端の「火災予防上立入を禁止します」をスタート地点に、どんどん左に寄ってゆきます。
ロープが張ってあってさすがに中には入れないので見にくいのですが、中は事務机や椅子がありました。
ッだけなんでカタカナにしてしまったのでしょう。次の窓枠にはくたびれた雑誌がはためいていました。
白飛びしていますが、雑誌の奥に当時店先に出されていたであろう「珈琲」の立看板が。
営業していた日々の当たり前の光景が思い浮かばれます。住居跡に見られる「生きていた跡」と同じです。
山際に建つちょうどいい休憩所でお茶を飲んだり、お土産を見たりしてひと休みし、晴天の下ドライブ、ツーリングを再開する、現地の人や観光客同士で情報交換なんかしたりして、いわば三ヶ根山の憩いの場だった――かもしれないですし、自販機を見つけるのも一苦労の山道でやっと見つけた店舗、独占市場ということもあって気が抜けている、もしくは訪問者の足元を見ている価格設定、コカコーラ系列のよくある珈琲やジュース、お土産は山の麓の道の駅でも買えるアイテム、店員はぶっきらぼうで置いてある情報誌は過去のもの――かもしれないですし、想像の域を出ませんが、この廃墟も活き活きしていた時があったのです。
微塵もしんみりなんてしませんけれど、立ち止まったまままじまじとこの平屋を見つめ、考える機会を与えてくれます。
奥の深さ、とかほざいて通ぶるつもりはなくて、単純にこうやって妄想できるのも、廃墟の楽しみ方のひとつなのです。
*おまけ
コカコーラ看板の近くです。画面右上にご注目ください。
カメラが据えつけられています。これが廃墟化したあとについたのか、その前からなのかはさっぱりです。
ともかく、有料道路ならばまず廃墟をなくすところから始めては‥‥と、廃墟ガールですらつっこまざるを得ないスカイライン、後半へ続きます。