世間はゴールデンウィーク、暦は真っ赤なきょうこの頃です。大好きなバーで世界一おいしいカクテルを飲んだあとの、眠気とまどろみの中の記事となります。このおやすみも廃墟のみにこだわらず、リフレッシュ兼ねていろいろなところにお散歩する次第です。
*基本データ
場所:東京都豊島区目白2丁目30-3
行った日:2018/03/21
廃墟になった日:不明
詳しく:
ピンの場所。JR目白駅から歩ける。
*評価
怖さ:★★☆☆☆
廃れさ:★★★☆☆
入りやすさ:★☆☆☆☆
*あれこれ
ことある事に雨廃墟をしている当ブログですが、この日は一味違っておりました。(雨廃墟は数えきれないほど「雨廃墟」というカテゴリにあげてあります‥‥)
葉の一枚一枚がかたどられ影を落とし、アスファルト上でしっかりとコントラストを出してくれています。緑生い茂る廃墟はそうこなくっちゃです。(cf.青空廃墟→その46:青空薬品 - 廃墟ガールの廃ログ)
ちなみに、この廃墟は何度かたれ込んでいただいているトーキョーマスターであるお友達から教えてもらいました。都内の喧騒に紛れ潜む廃墟はわりとこの筋からの情報のことがあります。
「貼紙を禁ず」という貼紙がしてありますし、セメントの崩壊により囲いが途中で途切れてしまっています。もしこの家がペイントの画面上ならば、塗りつぶしのバケツ機能は使えません。
左の貼紙(また貼紙を禁じられた壁面に貼紙です)は、目を凝らせば分かりますが、あまり意識せずに見ると「最近 が多いので無断の立ち入りは いたします」となります。おそらくこれは、空白に文字を入れて標語を完成させる大喜利なのでしょう。道行く人々にルーチンへのスパイスを投じる粋な計らいともいえます。
こちらが正面入口となります。きっと中には今の賃貸物件としては珍しくなった、各々の独立したドアの前に、ポストや廊下などの共同スペースが広めにとってあって続いているのでしょう。荘という物件名にふさわしい扉のむこうをしているに違いありません。
文字情報の多い廃墟です。
「電線電柱に枝葉がからまり通行する方が危険を感じております。速やかに枝切りをお願いします。」とあります。
(ちなみに扉ガラスに写っておりますシルエットは廃墟ガールのものですのでご安心ください。)
なるほど、さきほどの空白埋め大喜利はスパイスではなく、むしろ危険な思いをしてここを通る際の緩衝剤、心温まるほっこりシンキングタイムということですね。(偏見にもほどがあります。)
電線へ伸びる緑はさることながら、建物のはしでもこの有様です。隣は現役の賃貸のようですので、責任の所在をどこにどうしていいか分からない、もどかしい隣人トラブルとなりそうです。
反対側です。小窓がかわいいですし、それぞれの家庭を持ったひとが住む、というよりは、寮や下宿といったイメージに合いそうな構造をしていそうなことが分かります。
輪郭がきれいです。
ここだけ切りとって眺めてみると、どこか避暑地の手入れされていない別荘にも思えてきます。都内とは考えられません。
裏手です。門のむこうに僅かですが、2階へ行ける外階段の存在が認められます。これがまた良い廃れ具合なのです。
お分かりいただけますでしょうか。文字になったほんのり過敏で尖った貼紙はさておき、緑と風に揺れる影だけを考えれば、時のたゆたう穏やかな場所でした。
*おまけ
ほんとうに散歩日和だったので、ひさびさにいまわたしが持っている唯一元写真部だったと分かるような証拠となるフィルムのトイカメラを持ち出しました。現像はもう少し先ですが、あがったらまたどこかに残しておきます。ちゃんとしたフィルムカメラもいつかわたしの技術が上がったら欲しいなと思っていますが、トイカメラは3代目です。ワンテン(110mmフィルム)対応のストラップになるちびカメラ、ゴールデンハーフ、そしてこのHOLGAくんと変遷しています。フィルム、なくならないでほしいですね。