廃墟ガールの廃ログ

廃墟探索の備忘録/廃墟のススメ

その87:店舗跡? 【板橋区】

 

 

私たちは2日間のために生きている。

その前の5日間はただの修行期間に過ぎず、ひたすらに耐え忍ぶのみである。じっと息を殺してやり過ごした者にのみ、至福の48時間が訪れる――

 

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ここに1枚の画用紙がある。

1日かけて、これを塗りつぶしていくのが私の仕事だ。私の他にも塗る担当が何人かいて、それぞれ色が決まっている。画用紙の形も毎日変わるが、基本的には広大な敷地を誇っているし、万が一塗りきれたとしても、画用紙にはつぎのページがある。

 

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今日の形はこれだった。

すぐに赤色が右端から塗られる。少し楽しそうに、さながら公園で砂場遊びをする子供のように、色がついていく。次は緑が真ん中にこぼれた。遠慮知らずの大胆な一撃。続いて橙、紫、色面積の大小、時間差はあるものの、だんだんと白が減っていく。

そんな中私は、あの言い伝えのことを考えていた。古よりの伝承でそんな格言があるらしい。確かに私もなんとなく、聞いたことがある。

ひとはみな2日間のための5日間を生き延び、つかの間の休息と終わりゆく2日目の夜に安堵と憂鬱のため息を漏らすとかなんとか。

遅れながらにアクセントとなった黒いペンキも垂れていく。

でもよく考えてみてほしい。1週間は7日ある。そのうちの5日も犠牲にして、たった2日をつかみとれというのか。私は黒いペンキの流れを見つつ、姿勢を正して瞳の奥で叫ぶ。

くそが。5日も耐えられるかよふざけんな。バランスおかしいだろうが。金曜まで遠いんだよなクソ。って言えば満足かよ? 笑えねえわ。

滑りこみの緑色も現れる。これで大体の色は揃った。私はまだ、満タンでこぼれそうな青色のペンキを持っている。

要するに、私はいらついているのだ。伝承を受け入れる世界に。理不尽な怒号に。帰れない定時後に。何より、色のつかない現状に。色のつけられない、ぶつけられない私に。こうしてうじうじとSNSにわかった振りをしてつらつらとうだうだと書き連ねるだけで、誰に相談するでもなく、ひとりよがりに。そして苛立ったそばからもう、はじめの苛立ちが消えていく。覚えていられないのだ。そのことにまた、いらついていく。そんな毎日に、苛立っては落ち込み、先の休みをちらと思い、怒られ、空を仰ぐ。心の中では、指を立てて騒ぎながら。

 

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手前の看板のところを、青にしたかったなあ。本日の色塗りは締め切られました。また、あした。

 

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*基本データ

 

場所:東京と板橋区(都営三田線板橋区役所前駅から歩ける)

行った日:2018/04/21

廃墟になった日:不明

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*評価

 

怖さ:★☆☆☆☆

廃れさ:☆☆☆☆

入りやすさ:☆☆☆☆☆

 

 

*いいわけ

 

疲れているんだと思います。

何回かに1回かやってくる出オチ気を衒いシリーズです。なんとも中途半端ですが仕事って大変だなという文章でしたとさ。塗られた色が仕事の実績というわけです。もっときちんと書けばすこしはマシなものができるのにそうする気力がないところがまた、疲れを表しているということにしておきます。ファミマまで遠いんだよなクソ。を入れたかっただけともいえます。また次からちゃんとした探検の記事書きます。廃墟に罪はありません。

 

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