仕事がテレワークになる前、こんな文章を書きました。外に出るのは好きです。その日身につける古着やピアスや帽子や靴を考えながら下手くそなりにいつもより丁寧に化粧をして、余裕をもってドアを開けます。気のむくままに歩いて歩いて、気になったものを写真に撮ったり心の中であーだこーだ呟いたりしたあとに、少し疲れたら喫茶店であったかい飲み物とケーキをいただきながら大好きな2段書き新書サイズの本をお茶請けにします。(講談社ノベルスのことです。)日が沈んできたらバーに行ってもいいですね。みたいな生活はいまは空想の中だけです。そうしたら、同じく外に出るのが大好きな彼女から、｢空想の中でお散歩しませんか｣と、声がしました。――
ということで、｢ふと思い立って、プチ冒険｣の地図子(id:chizuchizuko)さんとの企画第4弾、妄想散歩をしてまいりました！
カオスカミスシリーズがあと1回残っていますし(cf.前回→その278:エビス水産【カオスカミス8/9】 - 廃墟ガールの廃ログ)、なんなら地図子さんと先月リアルにお散歩した第3弾はまるっと飛ばされてしまいましたが、こちらのメモのほうが必要不可欠でしょう。279はひとまず欠番です。
待ち合わせは15時に某zoomのルーム前(中？)です。早速むかってみましょう！
無事合流できました。そしてここから背景を設定できることを地図子さんに教えてもらい、背景設定で10数分盛り上がり話し始める2人です。地図子さんの背景はモロッコに行かれたとき撮ったものだそうです。わたしは奥多摩湖ロープウェイ(その13:奥多摩湖ロープウェイ - 廃墟ガールの廃ログ)から参戦することになりました。
さてどこへ行くかといいますと、せっかくならということでなんと海外進出です！ちなみに本日同日に地図子さんもこちらの散歩の様子を記事にしていらっしゃいます。｢写真で一言｣みたいな超感覚的文章ではしりまわるこのブログよりも、クロアチアについてもしっかり書いてございます。しかも地図子さん、今回のzoom散歩から、クロアチアの地球の歩き方も買われたそうです！！ 地図と散歩への愛が尽きません、さすがです！
そんな地図子さんの記事はこちらです。とってもとっても楽しくなる大傑作ですのでぜひここでこちらへジャンプください！ もし心優しい方がいらっしゃいましたらそのあともう1回ジャンプして帰ってきてください……。→外出自粛だけど、廃墟ガールとクロアチアを楽しんできた - ふと思い立って、プチ冒険
クロアチアはこんな地形でした。そもそも、暗渠がある国ということでいくつか名前のあがった国の中から、紅の豚の舞台ということで惹かれ選ばれたのがクロアチアでした。
地図子さん｢なんだか流されているような地形ですね｣
わたし｢あ、ここ(赤丸)は別の国ですね、海外にも町田があるのですね｣
好き勝手言いたい放題、通常運転です。
クロアチアの暗渠はその町田の横の離れクロアチア(？)方面、ドゥブロブニクにあります。この青線を引いた通りはかつて海だったときの名残を持っているそうです。川ではなくて海というのが海外スケールです。確かに観光地化されたメインストリートですが、左右の脇に溝のような2本の線が通っていました。水はけを良くするのを助けるはたらきもありそうです。
地図子ズeyeがGoogleEarth上の散歩でも光り、ほかにも暗渠を探します。わりと整った地形で怪しいと思った箇所もありましたが、正解は分からずじまいでした。そう考えると日本って歩けば暗渠があるほどの密集地帯なのだなと認識しました。恵まれた環境というやつです。
ほかにも豪快な川が湧き出る｢はじまりの地｣をばっちり眺めながら走れる橋を見つけ、運転してみたいと2人でテンションが上がります。
ひとしきりクロアチアを歩きすこし慣れてきたところでディープクロアチアへ飛びましょう。廃墟編です。
ヴコヴァルの給水塔
*基本データ
場所:Mitnica地区Najpar-basca都市公園敷地内
行った日:2020/04/12(@GoogleEarth)
廃墟になった日:1995年
詳しく:1991年～1995年にかけて起きたクロアチア紛争で標的にされた給水塔。1960年代建設。600回以上も被弾したという。紛争のシンボルとして残されている。 cf.被弾→その211:旧日立航空機株式会社立川工場変電所 - 廃墟ガールの廃ログ
ドゥブロブニクからはボスニア・ヘルツェゴビナ経由で7時間です。他国を経由したほうが早く着く、という感覚がどうしてもなく衝撃を受けます。
次は島全体ほぼ廃墟でした。
ゴリオトック刑務所
*基本データ
場所:Primorsko-goranska županijaのGoli Otok島内
行った日:2020/04/12(@GoogleEarth)
廃墟になった日:1956年以降？
詳しく:1949年に建てられ4000人の囚人が収容されていた。国家機密の極秘施設で1956年まで明るみには出ていなかった。cf.地図にない→その3:ウサギ島 - 廃墟ガールの廃ログ
最後は僻地中の僻地、空想散歩ですら上から見てばかりです。
ジェリャバ空軍基地
*基本データ
場所:Željava(ボスニア・ヘルツェゴビナ国境付近)
行った日:2020/04/12(GoogleEarth)
廃墟になった日:1991年か
詳しく:1948年から20年かけて完成した空軍基地。1991年に勃発したユーゴスラビア戦争により破壊。cf.飛行機→その212:府中通信施設【の、周辺】 - 廃墟ガールの廃ログ
ジェリャバ空軍基地はクロアチアに住んでいる方だとしても行くのが困難かと思われます。近くには滑走路や、国境付近なのでボスニア・ヘルツェゴビナのモスクにもお散歩できました。
廃墟を堪能しまくったあと、先程の暗渠散歩のときからちらちら出てきていた｢サバ川｣が気になり、2人であとをつけていくことにしました。
このサバ川、川幅をずっと均等に保ちながらの蛇行がすんごいです。むしろすごいです。住宅街を、田畑を、ぐねぐねゆきます。地図子さんによると、日本ではこういう川は矯正されてまっすぐになることも多いそうなので、こんなぐにゃりは珍しいようでした。
神田の古本屋街に積まれた古本を思い出しました。
地図子さん｢支流5兄弟！｣
わたし｢富士急にもこんなコースないですよ！｣
なんとゴールはドナウ川でした。何ヶ国にも渡って走るサバ川、長かったです。
そのあとも楽しすぎて、暗渠が沿道に440箇所もあるらしい鉄道の軌跡を辿ったり、(どんなカウントの仕方をするのでしょうか)
クロアチアの銭湯を見つけたり、
地図子さん｢へびの頭かくじらの尾に見えますね！｣
わたし｢zoomにはこんな落書き機能が！｣
途中から地図子さんの背景がはすぬま温泉になったので、入浴中の画面を作って遊んだり、気づけば3時間経っていました。外には出られませんけれど、たった3時間でクロアチアまで行けてしまうのです。こんな散歩もたまには悪くありませんね。
表情差分、というやつでしょうか。zoom画面の顔を隠すのにつくったイラストです。
この日はひさびさに、手帳にバツ印以外の予定を書き込むことができました。地図子さん、素敵で最高にいかした企画をありがとうございました！！！！
