*基本データ
行った日:2020/07
廃墟になった日:2003年時点で廃墟
詳しく:ますいけてい。開業時期不明の2階建て料亭旅館。奥山愛宕神社への道沿いにあり。危険。
*評価
怖さ:★★★☆☆
廃れさ:★★★★☆
見つけやすさ:★☆☆☆☆
*あれこれ
順序があちこちしてしまったせいでまだ7月中のお散歩記録が残っています。早いとこメモし終わりたいものです。(cf.バックナンバー→その305:朝熊登山鉄道【1泊2日de1府3県1/4】 - 廃墟ガールの廃ログ)
ただ何度も言っている気がしますがブログは義務になったら辞めたほうがいいと思っているので、気ままに気長にやってゆきます。この道のように、です。
田畑の水路を変える? 仕掛け? もございました。
その305で伊勢神宮へお参りしたときはもうびっくりするくらいの土砂降りでしたが、次の日はまだ可愛げのある雨降りでした。緑多い山道の入口です。
濃くなってゆきます。すぐ右手は川です。
唯一の雨避け装備(折りたたみ式)を頭上に振り、足取り軽やかな廃墟ガールです。
蛇行散歩しながら「こういうところはヒルが出る」という話を聞きながらしていると、見えてきたようです。
まず手前にはロッジのような建物がありました。売店? お食事処? 事務所? 宿泊施設ではなさそうですが、よい廃れ具合をしていらっしゃいます。(cf.山道脇案件→その129:CarPoint・Selectionあるいは白雪姫と七人の小人 - 廃墟ガールの廃ログ、その195:ドライブイン深谷/周南工場夜景【詰込山口6/7】 - 廃墟ガールの廃ログエトセトラ)
そして看板様のお出ましです。肝心なところ以外が残っておいでですが、アイデンティティの部分は早々に個の脱却をされたようです。ロゴマークのような記号だけを目に焼きつけましょう。(cf.アイデンティティの残った看板→その172:ホテル高月城 - 廃墟ガールの廃ログ、その218:星の王子さま【清里遠足レポート⑤】 - 廃墟ガールの廃ログ、その274:廃民宿【カオスカミス4/9】 - 廃墟ガールの廃ログ)
川近くの崖に沿って建っているため、目をこらすと分かるベランダのような部分が2階なのかと思われます。赤い屋根の一般住宅のような佇まいですので、こちらもお部屋ではないのかもしれません。
お次に確認できたのがこちらです。こちらも外装からして倉庫のようなところだったのでしょうか。
立地はご覧の通りです。前日が豪雨でしたので川は茶色をしていました。
骨組みだけになった屋根と錆びたトタンの一部分、がらんどうの部屋の闇が覗けました。
しとしと降る雨とじっとりとした湿度の中、絶えず流れる川の音に隠れて、かつてたくさんの人をおもてなししていたものたちの名残が潜んでいます。きっとじいっと見つめていれば、木々から滴る雫の中では、魚眼に映る精力的に営業していたときのお姿が零れて土に還るを繰り返すのが、捉えられるのかもしれません。(いつも通り読みにくい構造の文ですね)
さて分かる範囲で建物の欠片たちを眺めまして、もう一度看板へ戻ってまいりました。最後におかわりでもしましょうか。
ふんだんに水分を含んだ土と草木の熱烈歓迎を受けつつ、ドクターマーチンを――廃墟ガールは靴といえばマーチンしか持っていません。おかげて普通のマーチンユーザーより使い古し度が高いかと思われます――ぬかるませつつ、進んでみました。赤い橋が山道と旅館を往来する夢浮橋のようです。しっとりと濡れた赤が多く見えてまいります。
が、駄目でした。赤は歯抜けです。どこの現場も制作の世界はブラックと聞きます、色塗りが枠しか間に合わなかったのでしょうか。(cf.塗りすぎた緑→その121:住居跡【北区】 - 廃墟ガールの廃ログ)
ではなく、もちろんここは現実世界ですから、橋にかかっていた板は朽ち落ちてしまったようです。渡れません。
果てなく続く県道を遠い目で見つめ、次の場所へ移りましょう。
*おまけ
名古屋から特急で伊勢市へ、そしてその日のうちに伊賀市へ移動しました。雨の夜の街を少し歩くだけでも、そういえばここがどんなところかが存分にわかりました。