廃墟ガールの廃ログ

廃墟散歩の備忘録

その252:南池袋2丁目

 

 

*基本データ

 

場所:東京都豊島区南池袋2丁目46付近(池袋駅から歩ける)

行った日:2019/12/30

廃墟になった日:2019年2月時点で廃墟

詳しく:サンシャインシティ近く。区画整理のため一帯が立ち退きとなっている。

 


*評価

 

怖さ:★☆☆☆☆

廃れさ:★★☆☆☆

見つけやすさ:★★★★★

 

 

*あれこれ

 

前回から進み、池袋で買い物といえば、のサンシャインシティに近づいてきました。ガイドは前回同様都内廃墟創造主のトーキョーマスターです。(cf.前回→その251:【廃ログができるまで】住居跡【豊島区】 - 廃墟ガールの廃ログ)(トーキョーマスターの他物件はカテゴリ参照)(創造してません)

 

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区画整理といえば、その224:虎ノ門5丁目【お知らせがあります】 - 廃墟ガールの廃ログが都内代表かもしれませんが、都電荒川線沿いの豊島区も、長いことかけて変わっていく狙いのようでした。(cf.都電荒川線沿い→その102:中華料理 東洋軒 - 廃墟ガールの廃ログその140:住居跡【都電荒川線】 - 廃墟ガールの廃ログ)


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この貼り紙には一体なんと書いてあったのか気になるところですが、こうした「途中」の跡も見つけられる一帯となっていました。


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鉄のドア分だけが不自然で、それ以外を覗けばごく普通の一般住宅そのものです。そんなことないと思いますが突然この突貫部分が建てられ、住む人は出ていくことを強要され、あたかも住んでいたことが間違いかのように、そしてがらんどうであることが正しいかのように、そこにはなにかの陰謀が、なにかの謎が――?? みたいなSFではございません


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こんな人間が寄ってくることもありませんでした。(余談ですが廃墟ガールは帽子が本体です、予想外の雨が降ってきたらタオルで覆うのは頭ではなく帽子です。かれこれかぶり始めて干支1周はしていると思うのですが、アホほど浅く被って、というか頭に載せてしまう癖があるようで、ほんとうに一瞬、一度しか会ったことのないようなひとにも角度浅いねとよく言われます。別に頭上を見さえしなければ落ちませんよ。)

 

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カメラロールを見返して、なんだろうこの住宅街? と錯覚するほどです。


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廃墟を映す監視カメラを撮る廃墟ガールを撮るトーキョーマスター(エッシャー的構造)


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住んでいた方々にはいつ告知されいつ立ち退いたのか詳しいことは知る由もないため想像でしかないものの、生活の香りはわりと残っているような気がします。


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カーテンもそのままです。1階部分をくるむ銀の板だけが、非日常なのです。


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ステンドグラスにはおさるさんがいらっしゃいました。


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いつしか大きなマンションか、広い道路にでもなってしまうのでしょうか。最後に裏手と一目見て、去りましょう――


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これは……昨年2月にお散歩した、その169:中華料理 玉竜 - 廃墟ガールの廃ログです! あらびっくり、思わぬところと繋がっていました。同時に1年近く、ここはこのままということになります。整理され整地され整備されるのはいつになるのでしょう。定点観測しても面白いかもしれません。


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*廃墟残

 

残りストック:3

 

 

*おまけ

 

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おいしいおさけのおまけです。

その251:【廃ログができるまで】住居跡【豊島区】

 

 

①廃墟さがし

 

日本全国津々浦々ネオンの眠らない街というのはごく一部で、全体の6割、いや7割くらいはゆとりのある建物の間隔、広々とした道路、点在する明かりの続く地だと感じています。タイムラプス動画のように定点カメラを置いて、撮影を繰り返せば、家が建ち、家が崩れ、店が建ち、店が崩れ、道路が広がり狭まり、暗くなり明るくなり、ここにもひとが暮らしているのだな、歴史があるのだなと分かるはずです。それはすこしずれた視点かもしれませんが、そんなサイクルを知れるのも、廃墟の良いところかもしれません。

サイクルの速さ長さはその土地、物件、地域性によって随分と個体差があります。気づけばもう次の新たな芽吹きに移ろっていることもあれば、時が止まっているかのように退廃期が終わらないこともあります。ベストなタイミングで訪れることができればお散歩したかいもあったというものです。

 

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たまたまゆく先に廃墟があった場合を除き、はじめに情報を収集します。わたしは僻地のラスボスのような廃墟へずんずん進んでいくことはあまりありませんで、気軽な廃墟でも満足してしまうのです。ご懇意にさせていただいているインターネットのサイトを見るか、人から教えてもらうか、自らの目で見て調べるか、といったところでしょうか。今回はよく都内の廃墟を教えてくれる知り合いの例をとって進めます。ちなみに下にある「印西市」とはその125:ガーデンモール印西【iPhoneメモ機能】 - 廃墟ガールの廃ログを指します。

 

 

②実地調査(お散歩)

 

①で「豊島区役所の目の前に崩れた家放置」とアウトラインを掴みましたので、実際にお散歩してみましょう。豊島区役所ということですので住所は豊島区南池袋2丁目、池袋駅から歩けそうです。

 

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ターゲットを見つけましたら、眺めつ撮りつします。カメラは持っておりません。iPhoneです。ブログを始めてから、横型の写真を撮る癖がつきました。

 

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色々な角度から楽しみます。

 

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入ってはいけないところには入りません。進んで良いところは進んでみます。

 

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その地に遺る生活の跡や暮らしの欠片、長い年月によって造り上げられた箇所もなるべく見逃さず、観察します。写真が何枚か撮れました。ここらでひとまずほくほくします。

 

 

③画像選定と文字入れ

 

当然ですがすべての記事は物件をメモするためのものですので、画像ありきで進みます。

 

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撮った画像を見返してみましょう。高校のとき写真部だったものの撮影は下手くそですので、ピントが合っていなかったり被写体が納まりきっていなかったりしているものがあります。それは消去して、使えそうなものをなんとなく選びます。

 

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ついでに、記事の終わりには「おまけ」という使い勝手の良いコーナーが設けてあるので、なにを今回はおまけにするかも合わせて考えます。あたりをつけたら使う画像をピックアップしましょう。

 

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使う画像には「#廃ログ」という文字スタンプが押されます。これは転載されたとき用なのか、統一感を出すためか、なぜかすべての画像についています。フォントや色や大きさが大体決まっていますので、写真の空いているところに貼っつけます。たまに縦書きにしたりアーチ型にしたり看板に載せたり遊ぶこともあります。

 

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人や物件と関係のない看板や電話番号などが入ってしまった場合はぼかしておきます。

 

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画像が揃ってきました。

 

 

④本文

 

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素材も揃いましたので、本文をぽちぽち打ち込んでいきます。このブログの85%くらいはiPhoneから、14.5%くらいはiPadから作られています。「#廃ログ」にはテンプレートがありますので安心です。カッコ書きは文字を小さくアスタリスクから始まる各項目は太字灰色など、指定があるものは文章を作りながら変えてゆきます。

 

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文章に飽きてきたらカテゴリも任意のタイミングでチェックしていきます。カテゴリの癖に全ての記事に当てはまる普遍的な項目があるのはご愛嬌ということになっています。

 

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文章を打ってから写真を間に差し込むやり方だと作業が面倒なので、基本写真を貼り付けてから好き勝手に文字を打っています。たまに短いお話になったり(その132:笠間昭和館 - 廃墟ガールの廃ログ)、ゲーム画面になったり(■ - 廃墟ガールの廃ログ)、フランス語になったり(No168:Ruines de la maison à Ikebukuro - 廃墟ガールの廃ログ)、別の人が書いたり(その218:星の王子さま【清里遠足レポート⑤】 - 廃墟ガールの廃ログ)と、出オチします。

 

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参照する記事があるときはリンクも貼りましょう。iPhoneからの編集だとリンク先のサムネイル画像を出したりはできません。文字のみです。仕様を変えたい時はipadからそこだけ編集します。

 

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本分に加え細かいところも整ってきましたら、プレビューにして全体を見直します。誤字脱字を確認したり書き途中の部分がないか、書式は揃っているかなど、チェックします。が、所詮趣味のこのブログ、一定水準自己満足がなされていればGOサインを出してしまうため、凡ミスは多々あります。それも味、と片付けます。

 

 

⑤眺める

 

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投稿ボタンを押したらもう1度読みます。

 

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こうしてまたひとつ廃墟のメモが世に出ました。

 

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おまけもこの通りです。

 

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このブログの1番の読者は何度も書いていますがほかでもない自分なので、よく読み返します。こんな巧みな表現できるんだ過去のわたし、こんな稚拙な文章をよく投稿したな過去のわたし、など、学生のときのノートやアルバムを捲る気持ちになります。たいそうちいさなアウトプットの自己満足ですが、それはそれで楽しいものです。

これで誰でも廃ログが書けますね。

 

 

⑥最後に

 

素知らぬ顔して書いていますが、大出オチにもほどがあります。最近真面目にテンプレートからばかり書いていて良い子ちゃんで飽きてしまったので、記事の書き方を書きました。出オチのひとつとして前々から頭に浮かんでいたものです。それと以前に「物件選びの苦労話などあれば聞いてみたい」とコメントしてくださった方がいらっしゃいまして、それも兼ねて書いてみようとのことになりました。今後廃ログのパロディを書いてくださる方がもしいらっしゃいましたらこの記事を参考にしてくださいませ。

 

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なんだかアウトプットの機会をたくさんいただけた1年でした。こんなにも自己完結した場所にいるのに、大衆に引きずり出してくださったみなさま、ありがとうございます。大晦日時点ではまだ今のところ飽きずにやってこれていますので、来年も読んでくださり、遊んでくださいますとうれしい限りです。

 

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年末年始の挨拶に変えて

2019/12/31ヒヤパ

その250:CHINESE RESTAURANT留園&店舗跡

 

 

*基本データ

 

場所:千葉県鎌ケ谷市東鎌ケ谷1-7-47、1-7-53(新京成線鎌ヶ谷大仏駅(かまがや)から歩ける)

行った日:2019/12/29

廃墟になった日:留園は2003年時点では営業していた模様

詳しく:

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environ ici.

※2022/06/27更新……別施設が入り改装転用。

 

 

*評価

 

怖さ:★☆☆☆☆

廃れさ:★★☆☆☆

見つけやすさ:★★★★☆

 

 

*あれこれ

 

ストックがなくなりどうなるかと思われましたが、意外と早く戻ってこれました。産地直送、本日見に行った廃墟です。(cf.ストック0→その249:高円寺アパート3号棟 - 廃墟ガールの廃ログ、朝撮れ→その39:永井メガネ店跡地【朝撮れ廃墟】 - 廃墟ガールの廃ログ)

毎年クリスマスから年末、時には年越しにかけて、集まってわいわいする恒例行事があります。身内だけで朝まで大騒ぎし、ピザやケーキやプレザント交換、ゲームやお酒やハンドメイドやお手製脱出ゲーム、書き納め(年末実施なので初めではありません、今年の一大ニュースをしたためます)など、季節感やコンセプトぐちゃぐちゃにずっと爆笑しているだけの日です。最高に楽しいのです。

 

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今年の会場だった最寄り駅にある2件をメモしておきます。おともらちのひとりに教えてもらいました。冬の良い空が撮れています。


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柔らかか曲線の目立つ造りで優しい印象を受けます。


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リュウエン? ルエン? お店の読み方は分かりませんでした。


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柱上部にはこの店舗の守護神だったであろうお犬様? 獅子様? が祀られていらっしゃいますが、右の片割れがただいま外出中で不在にしておられるみたいでした。


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Y字路の3点合流地に建ち、車通りが容赦ありません。駐車場完備の店舗、とうたえる立地でしょうけれど、交通量によっては駐車は教習所の縦列より難易度が高そうです。(cf.人通り容赦なし→その67:店舗跡(モリヤ人形店隣)【川越浪漫散策2/3】 - 廃墟ガールの廃ログ)


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Chineseとのことですから、焼肉屋さんなどだったのでしょうか。2階分まるまる店舗なのでわりと席数も多そうです。焼肉食べたくなります。

 

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そしてお次、その2,3軒先にあるのがこちらです。こちらは2階部分は賃貸物件かと思われます。


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正面出入口です。貼り紙にはほかの店舗の利用を促す旨が書かれています。そのすぐ下にマジで落下する5秒前の様相で留まっている貼り紙もあり、こちらは読めませんでした。


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横です。この階段で住居部分へはアクセスできそうです。


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屋上なのか屋根なのか、最上階で終わらずもうひとふんばりする階段に男気をみます(みません)


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その237:廃アパート【気まぐれ福岡/糸島市】 - 廃墟ガールの廃ログの配電盤を思い出しました。


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写真が下手


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反対側の入口です。このレンガの色味は、もともと営業時間を分かりやすく伝えるためについた店名の超大手コンビニのそれと完全に一致する気もしますが、なんのお店だったのかは定かではありません。


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店内の在庫がゼロですため、反対側が見渡せます。


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夏はどうやらこの枯れた蔦たちが一斉に緑色になって壁を賑わせるようです。冬の来訪は保護色が多くちょっぴり物悲しさもありますが、そのぶんむき出しのフォルムを堪能することができます。

 

 


*廃墟残

 

残りストック:0(いつまでも崖っぷち)

 

 

*おまけ

 

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ちなみに今年の書き納めはこちらでした。ちょっとサイズが小さいです。(cf.文学フリマ番外編:廃墟短編集【文学フリマ福岡】 - 廃墟ガールの廃ログ、去年の書き納め→その152:ORIENT EXPRESS【LE TRAIN】 - 廃墟ガールの廃ログ)