巨大機構萌え回です。
*基本データ
場所:東京都港区台場1丁目10(レインボーブリッジを渡りきってすぐ右)
行った日:2019/09/21
廃墟になった日:1868年までほぼ稼働
詳しく:別名品川砲台とも。1853年、黒船に備えて江戸幕府がつくった砲台跡地。1926年には国の史跡に指定された。
*評価
怖さ:★★★☆☆
廃れさ:★☆☆☆☆
見つけやすさ:★★★☆☆
*いき
東京でよく行くバーができました。数年通ってできた居心地のよい場所です。こちらはツァリーヌというウォッカを使ったカクテルです。ロシア語で「女帝」を指す単語だそうです。一生覚えられないと思います(カタカナ覚えられない病)。が、たいそう美味なのです。
こちらのマスタに都内のおすすめ散歩場所をお聞きしたところ、レインボーブリッジをご提案いただきました。なんでもレインボーブリッジって、高速とゆりかもめ以外に生身の人間も入れるらしいのです。田舎の住宅街出の廃墟ガール、知りませんでした。といっても社交辞令と当たり障りなさでできているバーでの会話術です、「今度行ってみます!」と笑顔で言いさえすればそれでその場は良いのです。わたしもそうしました。
そしてその翌週、行ってみました。社交辞令を許さない、です。ええ、それくらい魅力的な場所に映ったのです。
ゆりかもめを「新橋」か「お台場海浜公園」以外で降りたのは初めてでした。こちら「芝浦ふ頭」駅となります。同じような思考の方向けに、迷わないように(常に見える大きさの橋ですので迷うというのも不思議な話ですが)案内がありました。従いましょう。
降りてすこし歩くと、見えてまいりました。曲線の美しい道の入口です。路線図でみるあの一回転に自分の足で侵入できると思うと、心踊ります。
お台場はあんなに色とりどりなのに、レインボーブリッジの入口はこの看板のみで、そこがすこしおかしく面白いポイントだなと感じました。
エレベータで7階まであがり、いざ出陣です!
風と音がすごいです。揺れはほぼありません。余談ですが小さい頃高速などでこの電話を見かけるたび、街にあるような公衆電話が高速道路にもある、と信じこんでいました。
これは声が大きくなります。感嘆詞が止まりません。延々と続く巨大機構です。萌えますねたまりません。鳴門の渦潮(その129:CarPoint・Selectionあるいは白雪姫と七人の小人 - 廃墟ガールの廃ログ)と近いものがあります。(cf.去年の四国は台風とおともだち→その127:なにかの枠組み【スカイレストニュー室戸を目指して】 - 廃墟ガールの廃ログ)
真ん中をゆりかもめ、その端を車が通り、さらにその端を自転車や歩行者が往来できる構造になっています。どっちの脇を選んでも良いのですが、行きはこちら――お台場の見える側です――を選びました。このうしろにも、海辺と青空、フジテレビや遊覧船が写る素敵な写真たちを貼っておきますが、なによりも美しいのはこの橋の構造だと思います。片道20分ほどのお散歩、いろいろな顔が見えてとても面白いです。
ずんずん進みます。
なんと美しいのでしょう·····しかも夏場は夜21時まで開放しているそうです。夜の橋はきっと恐ろしく見えるのでしょう。それもまた眺めて歩いてみたいものです。
入れませんが離れ小島もあります。綺麗な構図です。
最高の景色でございます。正直レインボーブリッジを歩ければそれでよかったのですけど、マスタ曰く、台場、というのはもともと外来者を見張るないしは威嚇する目的として備えつけられた台がある場、そういった歴史的側面も見られるのが面白い、とのことでした。歩いていたら台場が見えましたので、軍事廃墟の一角であると銘打って、向かってみます。
*あれこれ
まずはレインボーブリッジから見える俯瞰の砲台跡地です。ひし形のような地形でいまは緑溢れています。公園ですので入園自由、無料です。入野自由さんじゃありません。
先のほうの廃れ具合が萌えポイントです。水に消えゆくその先が気になりますね。
無事に橋を渡りきり公園の入口へきました。砲台へ向かいます。
背が低いです。縄をくくりつけるにも水が出てくるにも地が近く不便そうですが·····
水道跡地もございました。
火アリが観測されたそうです。注意喚起の貼り紙がありました。
淵をお散歩したり座ったりする人々が多くいる中、中心まで降りきってみます。
跡がありました。
のでとりあえず登っておきました。
数輪だけ彼岸花がいらっしゃいました。(cf.曼珠沙華→その28:おべんとうにれの木跡地【埼玉県日高市】 - 廃墟ガールの廃ログ)
辺りには当時を思わせる造りもいくつか、そこかしこに隠れてございました。
そして、砲台のレプリカを見つけ、公園のお散歩はおしまいです。
廃墟ではありませんが、わたしは首都高などの大きな曲線が幾重にも交差している場所(高速のジャンクションなどその筆頭)も大好きです。インターのカーブもラブです。レインボーブリッジもそのカテゴリに入るのでしょう。退廃などとは一切無縁そうな、巨大な人工物をバックに、自然と同化するかつての軍事物をみられるこの場所は、若者のデートスポットお台場とは絶対にひとくくりにできない、お気に入りとなりました。
*廃墟残
残りストック:3
*かえり
さて、そろそろ暗くなってまいりました。反対側はビルが目立つ都会的な眺めでいきとはがらりと雰囲気が変わります。ぼんやりと黒む空を建ち並ぶビルたちの明かりとともに観察しながら、帰りましょう。
ごちそうさまでした。