*基本データ
行った日:2023/04/09
廃墟になった日:1971年に郷土館として開館
詳しく:さいせいかん。明治11年に立った県立病院。その後国の重要文化財に指定された。霞城公園内にある。
*評価
怖さ:★☆☆☆☆
廃れさ:★☆☆☆☆
見つけやすさ:★★★★★
*あれこれ
4月第2週で雪が降る、スギ花粉が全開、桜が満開の山形からお送りしております。もうすこしだけ続きます。(cf.バックナンバー→その553:善法寺駅+道の駅【サクラ山形2/6】 - 廃墟ガールの廃ログ、その552:次年子小学校〇+□【サクラ山形1/6】 - 廃墟ガールの廃ログ、その554:【狂気ぶたあり】温海グランドホテル【サクラ山形3/6】 - 廃墟ガールの廃ログ、その555:高畠駅【サクラ山形4/6】 - 廃墟ガールの廃ログ)
こんかいのメモに行く前に、まずは桜を堪能しましょう。3月後半の上野公園ではありませんよ。
咲き誇る、という表現はこういうことかと思い知ります。
ちなみに白とピンクの桜があったわけではなくて、取った人が違うのでフィルタの差です。なんにせよ満開でした。「この時期に桜」の頭はまったくなくて、ノーマークで向かった先で桜まつりが開かれていたほどです。桜写真家(?)になるには、九州から折を見て北上していけば、ずっと満開の桜が撮れますね。
桜にまみれ、見えてきました。
外観から楽しめる、元病院の大正時代の建物です。中も見学できます。【サクラ山形5/6】はそういった遺産2連ですので、廃墟、と呼ぶのはすこし違うかもしれませんが、両脇の桜でさえ自身を飾るアイテムにしてしまうこの見た目、メモしないわけにはいきません。
中庭を携え、なんと1階はぐるりとした構造になっています。各分野の権威である研究者たちが家主である医師に招待され、ひとりずつこの部屋を割り当てられ、学のある話を酒の肴にひとしきり楽しんだ明け方、真ん中の庭にはその医師が変わり果てた姿で――というやつですね。たまたま手違い、おまけ的に招待された私立探偵が主人公ですので安心です(?)。
ぐるり構造がよくわかるかと思います。
Windowsカラーの意匠、きれいです。(cf.4色展開→その205:店舗跡×2【クイーンシャトー近く】 - 廃墟ガールの廃ログ、お前を消す方法→その549:【暗渠ハンター】社宅跡【松庵川】 - 廃墟ガールの廃ログ)
しかし、次の瞬間Windowsはどこかへいってしまいました。
2階へのぼる階段がおかしいのです。なだらかに踊り場へ直線となり、そのままもう一度階段へ。
さらに螺旋になって上へ続いているのです。ここまでひと続き、途切れずにです。こんな構造の階段初めて見ました。
螺旋部分は立ち入り禁止でした。のぼってみたいものです。なんてお美しいのでしょう。いちおう、いまのところ令和を生きている身としては、建築学を知らなくとも、おそらく強度や効率、予算など諸々を考えても、このやり方が最適ではないのはわかります。けれど、当時、この建物はこうなのです。
館内の撮影は自由ですが、こうして展示されている資料は撮影禁止です。が! この部屋だけはOKです。
当時、実際に使われていた器具が飾られに飾られています。歓喜です。
ゲームではありません。なにに使うのかてんで分からずとも、フォルムやスイッチやレバーを見ているだけでも大満足なのです。
その507: 【画像大量】杉浦醫院【撮りすぎ山梨7】 - 廃墟ガールの廃ログ、その531:五十嵐医院【撮りすぎ静岡2/10】 - 廃墟ガールの廃ログの再来。最高です。
X線発生装置だそうです。グッズ感が漂いますが、きっと現役時代はちょうスグレモノだったのでしょう。性能はすこぶる良好と説明書きにもございます。
義歯がじっくり焼かれる窯だそうです。この展示室で撮った写真の枚数と、それ以外の済生館すべての場所で撮った写真の枚数が、並ぶか越すかのレベルでばしゃばしゃしています。
横型で( ' 。 ' )としている子が3連です。かわいらしい。
お隣は培養器だそうです。ものものしい文字列と反してクラシカルなデザイン。
赤と青で温度を調節するなにかしらなのでしょうか。隣に温度計もあります。
食器棚のようにキラキラした取っ手です。
それとこちら、この部屋の目玉商品です。視力検査のアレです。色合いもシルエットも、対象物も全てが素晴らしい。なんとなくの形がかぶらないように、蝶々、魚、犬、鳥を採用しているのでしょうけれど、その色々な向きに散らばる斜めのラインや曲線が美しいです。ぶたちゃんのアクキーを忘れたことを非常に後悔しました。
*基本データ
行った日:2023/04/09
廃墟になった日:1975年まで県庁舎として使用された
詳しく:県庁舎および県会議事堂の機能を持っていた建物。国の重要文化財に指定されたのち、修理工場が行われた。
*評価
怖さ:★☆☆☆☆
廃れさ:★☆☆☆☆
見つけやすさ:★★★★★
*あれこれ
はい、まさかの2本立てです。何度か書いている気がしますが、津々浦々さまざまな土地に行くとき、だいたい廃墟、B級スポット、公園(おもしろ遊具か狂気ぶた)、産業遺産などが目当てです。が、この山形旅行で1番写真を撮ったのはこの2箇所で間違いありません。もしこのページもここまで見てくださっているかたがいらっしゃいましたら、どうかデータ通信量にはお気をつけくださいませ。
お次はかなり大きい建物です。
その522:萬翠荘【爆走海道3-2/3】 - 廃墟ガールの廃ログにも似たような階段がありました。ガラスの靴の落としがいがありそうです。
まあるいステンドグラス。
階段の手すりひとつとっても、気を抜きません。
西洋スケールの背高廊下とアーチ。ともかく背が高く、海外サイズだなあと感じる部分が多々ありました。こんなところでお仕事できるなんて、働いていたかたがたは幸せものです。
予算会議なんかをこんなところでしてしまうのですか? とんでもございません。
天井なんてほら、ウエディングケーキです。デコラティブな生クリームが広がっています(いません)。
こんなオシャレな椅子に座って、書類に判子をおすのですか? とんでもございません。
これは本来、特別なときにしか拝めないレベルの灯りです。なんて贅沢なのでしょう。
すこうしだけ事務的な椅子と机になりましたが、灯りが、カーテンが、天井の高さがごまかしようありません。
きょうびパーテーションにステンドグラス調の装飾がされていることなどまずありません。どういうことなのでしょうか。
暖炉の上だってこのありさまです。
2階フロアにはこうして資料館的な展示もありました。算数の教科書です。
移動しまして、いちだんとひらけたエリアへ。銀行窓口のような造りをしていました。その373: 【画像大量】旧相川拘置支所【1年越し佐渡4/4】 - 廃墟ガールの廃ログ同様、ばっちり窓口ごっこをしておきました。
いまならパソコン1台ですべて済みそうな経理アイテムがずらりしています。
そして渡り廊下を歩いて別の建物へ。はい出ました消失点中心シンメトリィ構図。(cf.その391:【暗渠ハンター】住居跡【烏山川じゃない】 - 廃墟ガールの廃ログ、その400:旧福島県尋常中学校本館【400記事】 - 廃墟ガールの廃ログ、その449:住居跡群【バースデー長崎2/7】 - 廃墟ガールの廃ログ、その454:リゾートホテル跡地【バースデー長崎6/7】 - 廃墟ガールの廃ログエトセトラ)
除きましたら中庭が見えました。ここで働いていたらお昼休憩をこんなところでとれるってことですか? 夢のような想像が膨らむばかりです。
♡欄干です。待ち受けにすべきでしょうか。
最後に着きました議事堂です。圧巻の眺め! いまもイベントとして、演奏会などが開かれているようでした。
ばっちりドヤ顔で演説ごっこの写真を撮ってぎゃーすかしておきました。
長かった。あと1記事です。