5年前の夏、悪の組織に属していたわたしは(語弊あり)お盆休みのもっとも飛行機や宿代の跳ね上がるお盆休みに池島に訪れました。いまとなってはこの組織の悪っぷりについてはネタ話ですが将来の貯蓄や計画性をまったく考えられないほどには疲れていましたし、もともとどこかに遊びに行くのは好きですから、高くたって遠出したいと考えたわけです。
それは夢のような場所でした。絶対にまた行きたいと思いました。思えばここが初めて訪れたちゃんとすみずみまで見られるなおかつ近づいても怒られない廃墟だったように思います。訪れた印象が強く残り、ここを舞台にしたおはなしも書きました。
去年は来年も文学フリマ福岡のブースでわーきゃー騒ぐだけの人をやるんだろなーなんてぽけーっと考えていましたら、中止になってしまいました。
ので、同じ日程で代わりに行ってまいりました。図らずも「反転島」(池島をモデルに書いたおはなしの舞台の名前です)の聖地(笑)になった池島へ、5年ぶりに再訪です。
すでに記事は書いていますので新しいナンバーでのカウントはいたしません。それで調子に乗って遠出の際によく借りているカメラがあることも手伝ってばんばかシャッタを切っていましたらとんでもない量になってしまったため、その8は全部で4つになります。まあよいでしょう。――それと、これ以上長たらしい前置きが続くのも野暮というものですので、ギャラリー的に写真を連ねてゆきます。たまに副音声がついていますが、ともかく写真を眺めて感嘆のため息をつく記事です。速度制限にはお気をつけください。(cf.廃ログ史上最多写真更新。以前の王者→その310:【画像大量】信越本線新線横川~軽井沢間【廃線ウォーク】 - 廃墟ガールの廃ログ)
5年前は200人だったと記憶しています。120人になっていますし1年で2世帯4人も外へ旅立っていらっしゃいます。
一緒に聖地巡礼(笑)してくださるのは前回からの続きでヒダマルさんとたけぞうさんです。それぞれ廃墟探偵のおはなしを寄稿させていただきました。ご存じの通り廃墟弾丸ツアーしがちなわたしの工程表に嫌な顔ひとつせずついてきてくださいましてほんとうにありがとうございました。あとわたし含め全員帽子できもいです。
逆から読んだらマシカーリェフというロシア人の名前になる奇跡が起きた、もう泣くほど爆笑
左側に行くにはSASUKEしないといけません。
上陸。
5年前との比較画像を作りたくて撮ってもらいました。
まずは手前の団地です。スタートから気合い入れてゆきましょう。
植木鉢
いや外壁工事でいいんかーいっていうのはきっと外部の人しか思わないのでしょうね。ところどころ住んでいらっしゃいますから。というか、5年前に来たときにふと見たベランダで「あっここは幼稚園生がいそうだな」と思ったところが、「小学生のいるベランダ」に成長していました。感動しました。遠くに住む親戚のおばちゃんのような気持ちになりました。
5年前はブランコになっていたオレンジくん、使用不可になっていました。
首領ヴァレンティーノがいました。(また誰も分からないようなネタを)
池島の魅力は炭鉱跡と団地郡の両立です。生活臭溢れる暮らしの名残と日本を支えていた産業の証が見てとれます。
電柱がクランクアップしてらっしゃいまして、それに伴い電線も少しずつ後を追いかけていらっしゃるようです。この写真好きです。
炭鉱入口
5年前のように炭鉱の入口からみて左に進もうとしたところ、炭鉱で作業をしていた方に声をかけていただき、どうせ回るなら逆からスタートの方が見るものがたくさんあって坂道も苦じゃないと教えていただきます。ここは3/3の記事で再登場予定です。「5年前はツアー申し込んでなかったんですが、職員の方に手前のところまで見せていただいたんです」と伝えると、同じようにやってやろうと思ってくださった職員の方、「ちょっと待っててね」と言ってくださいましたが、作業を終えて入口をすでに閉め終わってしまっていたようで、ごめんね~となりました。みなさんなんてお優しいのでしょう。
仕切り直しまして右回りスタートです。
やはり見れば見るほど少女終末旅行ですし、ハウルの動く城のようでもありますし、なによりこの部品の朽ち具合が刹那すぎます。
そして! 前回時間オーバーとなってまわりきれなかったエリアに入ります。看板の枠。
ここが池島の終わり、そして往来を許さないような積み方に見え妄想膨らみます。
周りはぜーんぶ廃墟なのに現役の自販機を発見しちゃんと現役か確かめるために購入。誰が使うのでしょうか。
奥さんのほうが権力のある洋食屋さん
奥様公認の店。カウンタの模様が寄木細工みたいでかわいい。
それはそれはずっとずっと廃墟なのです。廃墟商店街です。
5年前に別のエリアで「理容のぐち」みたいなところに訪れています。のぐち派とまえかわ派に別れますね。
ラピュタのよう。
「たぶん廃墟になって長い間人も来ないので暇になって、お向さんに右の建物がちょっかいを出しちゃったんですね」とかって設定を作っていました。見たものにツッコミ入れたり設定勝手に作るの大好きです。
フレンドショップにいはり案件
刹那さナンバーワン物件。危ないです。近寄ってはいけません。
団地しかないと勝手に思っていたら、一軒家もたくさんありました。尾道のよう。
ここはゲームセンターというかパチ屋だったようです。木製のパチンコ台がたくさんまとめられていました。島内の数少ない娯楽施設のひとつです。ほかのは2/3に収録予定、木製のパチ台って初めて見ました。痺れます。
好きな写真です。
酒屋? 棚にはまだ商品が陳列されていました。